リフィル処方箋、導入決定 受診なしで一定回数繰り返し利用可

 診療報酬の改定率の決定に合わせ、「リフィル処方箋」の導入が決まった。一定期間内であれば医療機関の受診なしで繰り返し利用できる処方箋を出す制度で、改定率に換算して0・1%(国費ベース約110億円)の削減効果を見込む。

 症状が安定している患者が対象で、例えば医師が投薬を指示する際に、90日分の薬を「30日分を3回」などと利用可能な回数とともに記載する。薬の処方のためだけに医療機関を受診する必要がなくなる。

 財務省が2022年度当初予算案で導入を求めていた。患者の54・9%が「利用したい」とする厚生労働省の調査結果もある。一方、受診回数の減少は医療機関の収入減にも直結する。日本医師会は「慢性疾患患者の疾病管理の質を下げるリスクがあり、慎重な検討が必要」などとして導入に反対の立場をとってきた。

 ただ、リフィル処方箋を出すかどうかは現場の医師の判断に委ねられるため、制度化が最終的に医療費の削減をもたらすかは不透明な点もある。具体的な条件について、厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会で議論する。
https://mainichi.jp/articles/20211222/k00/00m/040/258000c