アベノマスク廃棄に数千万円か 首相周辺「保管より費用対効果」

 大量在庫が問題となっている布マスク「アベノマスク」に関し、岸田文雄首相が表明した2021年度中の廃棄に数千万円の経費がかかる可能性があることがわかった。
複数の政府関係者が明らかにした。20年8月から21年3月までの保管料は6億円に達しており、首相周辺は「廃棄した方が費用対効果はいい」と理解を求めている。

 新型コロナウイルス対策で安倍政権が20年に調達したアベノマスクは、約8000万枚が余剰在庫になっている。
首相官邸関係者によると、マスクは「国有財産」として扱われるため、廃棄業者の選定には入札などの手続きが必要になる。
廃棄費用は確定していないが、この関係者は「数千万円単位だろう」と見込む。

 岸田首相は21日の記者会見で、マスクを希望者に配布した上で、残りは「年度内をめどに廃棄する」と明らかにした。
松野博一官房長官は22日の会見で「希望する自治体や個人への配布をできるだけ早く開始できるよう準備を進めている」と説明。
週内にも希望者を募集する方針だ。【遠藤修平】
https://mainichi.jp/articles/20211222/k00/00m/010/205000c