仏大統領夫人、性別めぐる偽情報の標的に

【12月23日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の妻ブリジット(Brigitte Macron)氏(68)について、出生時の性別は男性だったとする偽情報がインターネット上で急速に広まっており、仏大統領選まで4か月を切る中、フェイクニュースに対する懸念が強まっている。

 ブリジット氏はこの偽情報に対し、法的措置を取る意向。代理人弁護士はAFPに対し、「手続きを開始することを決め、現在進めている」と述べ、それ以上の詳細は明かさなかった。


 この偽情報は、ブリジット氏が実はトランスジェンダー女性であり、生まれた時の名前はジャンミシェル(Jean-Michel)だったという内容。性別移行の事実を隠す大掛かりな陰謀があったという疑惑のほか、同氏に対する小児性愛の告発も隠蔽(いんぺい)されたという説まで展開されている。

 偽情報は数か月前からソーシャルメディア上で広まっていたが、ここ最近になって勢いを拡大。中道派のマクロン大統領に対する強い反発や、極右思想、トランスフォビア(トランスジェンダーの人々に対する嫌悪)と相まって拡散した。

 著名政治家についてのトランス嫌悪的なフェイクニュースはこれまで、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)元米大統領夫人やカマラ・ハリス(Kamala Harris)米副大統領、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相が標的となってきたが、フランスでは非常にまれだった。

マクロン夫妻は過去にも、性別や性的指向をめぐるうわさの標的になっている。マクロン氏は政権を獲得した2017年の選挙戦で、同性愛者であるとの疑惑を否定していた。(c)AFP/Jérémy TORDJMAN and Laurence BENHAMOU with Murielle KASPRZAK
https://i.imgur.com/uRkBtca.jpg

https://www.afpbb.com/articles/-/3382189?act=all