加古里子さん特別展、再び コロナ禍で昨年中断 八王子市夢美術館:東京新聞 TOKYO Web
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「だるまちゃん」シリーズや、「からすのパンやさん」などの作品で知られる絵本作家、加古里子(かこさとし)さん(一九二六〜二〇一八年)の歩みを紹介する特別展が、八王子市八日町の市夢美術館で開かれている。昨年、コロナ禍で中断し、再開を楽しみにしていた市民らが展示を楽しむ姿が見られる。来年一月二十三日まで。

戦時中、軍国少年だった加古さんは飛行機乗りを目指していたが、十九歳で終戦。責任をなすりつけ合う大人の姿に失望し、「子どもたちの未来のために生きる」と絵本作家の道を歩み始めた。

展示では、戦後間もなく、川崎市のボランティア福祉活動で子どもたちに見せた紙芝居や、宇宙や地球、川の流れを題材にした「科学絵本」など約百五十点を展示。だるまちゃんシリーズの下絵もあり、子どもたちに「強く、賢く育ってほしい」との願いを込めた加古さんの思いが伝わってくる。

戦後のドイツで感染症治療に尽力し、現地で亡くなった八王子市出身の肥沼信次医師(一九〇八〜四六年)の功績を紹介する加古さん作の絵本も並ぶ。

観覧料は一般六百円、高校生以上の学生と六十五歳以上は三百円。中学生以下は無料。月曜休館(祝日の場合は、翌日休館)。年末年始(十二月二十九日〜一月三日)休館。問い合わせは、市夢美術館=電042(621)6777=へ。(布施谷航)