21日に閉会した臨時国会で、一日も出席がかなわなかった参院議員がいた。
体調不良で意識混濁状態にある日本維新の会の片山虎之助前共同代表(86)だ。
歳費が支払われ続ける現状などを心苦しく思う家族や党は辞職の道を探るが、「本人の意思確認」が必要だとする
参院は応じない構えで、国会議員の去り際の難しさが浮き彫りとなった。

「仕事が満足にできない蓋然性があるときには辞めさせてあげた方が本人の名誉のためになる」。
片山氏の次男で、維新の参院議員でもある大介氏は産経新聞の取材にこう答えた。

片山氏は衆院選後の特別国会が召集された11月10日夜、自宅マンションの部屋に向かう途中で倒れた。
今は一般病棟に移り、容体は安定しているが、意識が混濁しており、家族は国会活動は難しいと判断。
かねて高齢の片山氏が「国会活動が困難になったときには辞めたい」と漏らしていたこともあり、党とともに議員辞職を模索したが、
「本人の明確な意思が示されていない」として参院に認められないまま現在に至る。

本人の意思確認が必要な理由について、参院の関係者は取材に「議員の地位は重い」と説明した。
衆院の扱いも同じで、関係者は「本人の意思とは別に辞任に追い込まれるような事態を避けなければならない」と語った。

維新幹部は「ある国会議員が、『意思表示が難しくなったら辞める』と書き残していても辞めさせられないと聞いた。
『遺言』よりも国会議員の立場は重いということだ」と述べた。

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