日本の国際的な地位の低下が問題とされている。

 これを測るためのデータとしてよく使われるのは、国民1人当たりGDP(国内総生産)だ。

 IMF、WEO(国際通貨基金、世界経済見通し)は、「先進国」(advanced coutries)というグループ分けをしている。

 そこには、40カ国・地域が含まれているが、2021年の1人当たりGDP(市場為替レートによるドル表示)において、日本は4万0704ドルで、世界第24位だ。

 世界第1位のルクセンブルク(13万1301ドル)に比べると、3分の1以下にすぎない。

 アメリカ(6万9375ドル)の58.7%、アジア第1位シンガポール(6万6263ドル)の61.4%でしかない。
ドイツ(5万0787ドル)、イギリス(4万6200ドル)に比べても低い。

 韓国は3万5195ドルで日本より低いが、後述のように成長率が高いので、いずれ抜かれるだろう。

 日本より下位にあるのは、ヨーロッパでは、旧社会主義国の他は、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャしかない。

 このように、日本は、先進国のグループに入っているとはいうものの、世界における地位はかなり低くなっている。

 日本の地位は、しばらく前までは、もっとずっと高かった。

 1人当たりGDPで、2000年にはルクセンブルクに次ぐ世界第2位で、第5位のアメリカより8%ほど高かった。

 アベノミクスが始まる直前の2012年には、順位が低下したとはいうものの、世界第13位。
第10位のアメリカの95%だった。
第20位のドイツより12%高かった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/87bc346c8a4a75eb571b2c819f8ff30a5fac7dbc