虐待を受けたり、養育を放棄されたりした子供が生活する「児童養護施設」で、2020年度までの5年間に利用者へのわいせつ行為が確認された職員は少なくとも47人、被害に遭った子供は69人だったことが読売新聞の調査でわかった。児童養護施設での性的虐待の被害実態について、厚生労働省は公表していない。

厚生労働省
 読売新聞は7〜12月、全都道府県と政令市、児童相談所設置の中核市と特別区の計73自治体に全国調査を実施。16〜20年度に、児童養護施設の職員が入所中や過去に入所していた18歳未満の子供にわいせつ行為をしていた事案の有無について尋ねた。

 青森県と名古屋市は「公表していない」として処分者の人数や被害者数を答えなかった。

 その結果、22自治体が管内にある児童養護施設でわいせつ事案があったと回答し、47人の職員が69人の利用者にわいせつ行為をした疑いがあることがわかった。被害を受けた子供は延べ人数の可能性もある。

 九州地方の施設では16〜19年、40歳代の児童指導員の男が、在職中や退職処分後を含め、当時10〜15歳の男子小中学生計4人にわいせつな行為をさせるなどした。男が子供たちの面倒を見て、慕われている立場を悪用したとして、強制わいせつ罪などで懲役8年の判決が確定した。https://www.yomiuri.co.jp/national/20211225-OYT1T50211/