菅義偉前首相が「再始動」 今度の戦いの舞台は空手?

自民党空手道推進議員連盟(会長・菅義偉前首相)が、2028年のロサンゼルス・オリンピックでの空手の競技復帰を目指し再始動した。12月14日に国会内で開かれた会合には、空手にゆかりのある議員が集結。法政大時代に空手部に所属した菅氏は「皆さんの力をお借りしながら空手を海外にもしっかり広めていく」と力を込めた。

空手は同議連の強力な後押しもあり、東京五輪で開催都市提案の追加競技として初めて実施された。だが、既に24年パリ五輪では実施競技から外れることが決まっており、議連は各省庁や競技団体と連携して巻き返しを狙う。
 国会内の会合は「空手族」議員で熱気に包まれた。菅氏は東京五輪について「世界で、テレビとインターネットで約40億人を超える人が見た。改めて空手を世界に発信できた」と胸を張った。全日本空手道連盟会長を務める元自民党総務会長の笹川尭(たかし)氏も駆け付けて拍手を送った。

東京五輪で日本は全8種目に選手が出場し、金、銀、銅各1個のメダルを獲得。議連は国民の関心の高まりを追い風にしたい考えで、出席議員は「菅さんを先頭にこの勢いでロスへ」と鼻息を荒くする。
 しかし実現はいばらの道だ。ロス五輪に向けて国際オリンピック委員会(IOC)が12月9日に選出した実施28競技に空手は入らず、今後は追加競技入りを目指す。少子化の中、国内の競技人口をどうやって増やすか、テコンドーなど「ライバル競技」との競合をどう制するか、など克服すべき課題は多い。それでも空手愛好家は世界200カ国に1億人以上いるとされる。国内外を巻き込んだ機運醸成が成否のカギを握りそうだ。【堀和彦】

https://mainichi.jp/articles/20211225/k00/00m/010/220000c