アダルト動画を配信する一般人の台頭 最高月収2500万円の猛者も

 素人が動画投稿で億万長者になる──YouTuberたちが切り開いたこの流れが、「アダルト」の世界にも押し寄せている。どこにでもいる一般人が、スマホで自らの性行為を撮影・配信し、巨額のカネを稼いでいるというのだ。数百万人の視聴者を抱えるトップ配信者に密着した。

 無造作に布団がはだけた自宅のベッドで絡む、マスク姿の若い男女カップル。カメラアングルにこだわる監督も、吐息まで拾う音声スタッフもそこにはいない。どこにでもあるスマホで撮影されたものだ。昨今、こうした動画を世界に配信し、大金を稼ぐ者がいる。「Pornhuber(ポルノハバー)」と呼ばれる人たちだ。アダルトメディア評論家の尾谷幸憲氏が語る。

「アダルト動画サイト『Pornhub(ポーンハブ)』で、自らのセックスの動画を配信して対価を得る一般人を『ポルノハバー』と呼びます。プライベートの性行為をネットで全世界に配信してお金を稼ぐなんて驚きですが、参入者が絶えない。すっかり市民権を得たYouTuberのように、一攫千金を目指せる新たな職業として密かに人気が高まっています」

 2007年にカナダの運営会社によってサービスが始まったPornhubは世界最大級のアダルト動画サイトで、2019年のサイトアクセス数は約420億回。日本は世界2位の利用者数を誇るPornhub大国とされる。

「当初は既存のAVがアップロードされるなど違法性の高いサイトでしたが、2020年12月に方針を転換し、違法アップロードや児童ポルノなどに関わるとみられる不正動画を一斉に削除した。コンテンツの大幅減と同時に動画配信の仕組みを強化しサイトの健全化を進めるなかで、既存の海外の配信者を上回る勢いで日本人のポルノハバーが台頭しました」(尾谷氏)

 ポルノハバーが激増したもう一つのきっかけは、2021年5月にAbemaTVで放送された『給与明細』という番組だ。同番組に出演したポルノハバーが月400万円以上稼いでいることを告白し、「そんなに儲かるなら」と新規参入が相次いだ。

 ポルノハバーの基本的なビジネスモデルは“先輩”であるYouTuberと重なる。

「再生回数に応じて広告収入が入る仕組みはYouTubeと同じで、Pornhubの場合は一再生につき0.5〜0.7円の広告収入が入ると言われている。またPornhubを入り口にして、そこで獲得したファンを有料会員制のファンクラブサイトに誘導すれば、収益が跳ね上がります。絶大な人気を誇る“トップポルノハバー”は月額2000円程度のファンクラブサイトを持ち、会員数10万人以上、月収1000万円以上を稼ぐ人もいる」
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