https://mainichi.jp/premier/health/articles/20211203/med/00m/070/002000d

持病の免疫抑制薬は新型コロナを重症化させない

新型コロナウイルス(COVID-19)による入院患者が、入院前からの持病で免疫抑制薬を使用している場合でも、免疫系が正常に機能している患者に比べて、重症化リスクは増大しないことが新たな研究で分かった。この研究をした米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のKathleen Andersen氏は「免疫抑制薬を使用中の患者は、新型コロナの流行中でも安全に、薬を継続使用できる」と述べている。この研究の詳細は「The Lancet Rheumatology」に11月15日に掲載された。

 パンデミック(世界的大流行)の初期には、免疫抑制薬を使用しているCOVID-19患者は、免疫系の働きが低下しているため、重症化リスクが高まるのではないかと懸念されていた。免疫抑制薬は、がんや自己免疫疾患の治療や、臓器移植を受けた患者が拒絶反応を予防するためなどに使用される。