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確率200万分の1「奇跡のミカン」が大量に ゴリラのフンから…

ゴリラのふんから芽を出して成長した「奇跡のみかん」が今年も実り、日本モンキーセンター(愛知県犬山市)で28日につみ取り式があった。縁起物として、年始の来園者に配る。

 「奇跡のみかん」の木は高さ約6メートル。ニシローランドゴリラのおりのすぐ外側に生えている。2000年代初頭に芽が生えて育ち始め、07年ごろからハッサクの実をつけるようになった。

 出どころは、当時飼われていたメスのゴリラ「ハナコ」のふんだ。ハナコはきれい好きでふんをおりの外に投げ捨てる癖があり、ふんに混じった種が除去されず奇跡的に芽を出した。

 センターの試算では「奇跡のみかん」が成る確率は約200万分の1になる。1個につき平均18粒の種があるハッサクを毎日10個ずつ30年間与えていたため、その数を掛けてはじき出した。

 10年ごろには、ハナコのパートナー「タロウ」のおりの内側からも芽が出て、木は2本になった。「奇跡のみかん」は正月の縁起物として、年末につみ取った実を年始の来園者に配っている。

 つみ取り式には職員やボランティアら約20人が参加し、約600個の実を収穫した。飼育員の坂口真悟さん(48)は「今年は大量。縁起物のみかんを受け取って、明るい気持ちになってほしい」と話した。

 「奇跡のみかん」は来月1〜3日の来園者に先着順で毎日30個ずつ贈られる。問い合わせは日本モンキーセンター