なお、年末になって急遽国内承認された新型コロナ経口治療薬「モルヌピラビル」の作用機序の解説など、リクエストもいただくのですが、紙幅も時間も限られていますので一点だけ。

「モルヌピラビル」は核酸アナログと呼ばれる成分がウイルスの複製を阻害する「治療薬」で、すでに感染した人の重症化を防ぐ薬です。

 しかし予防の効果は全くありません。

 経口治療薬が出たからといって、予防接種を打たなくてもよいという話には全くなりません。

 オミクロン株の急性期症状は武漢株よりはるかに穏やかですが、慢性的な後遺症が残る可能性は強く懸念されています。

 何はともあれ。オミクロン株を決して軽視はできないこと、社会が一丸となって感染予防の徹底が一番大切であることを強調したいと思います。