出口さんとの本では、経済学者の川口章さんの研究を取り上げられていました。
差別型企業と平等型企業を比較すると、平等型の方が売上高経常利益率が高い、という研究結果が出ていると。
このような研究があるのに、合理的な判断ができないのは、
男性たちが自分のポジションを奪われるということに危機感を抱いているからなのでしょうか。

上野:私はそうは思っていません。
企業が競争する市場には、消費市場と労働力市場と金融市場の3つがあります。
今、女性が経済力を持ち意思決定権も持っているので、消費市場で選ばれるには女性にウケることが大事ですよね。

次に労働市場。今ダブルインカム世帯が6割超、男女共に働きやすい職場を選ぶし、中でも優秀な人は魅力的な職場を選びますよね。
金融市場でも、投資家が売り上げや利益率が高い企業を選ぶのは合理的な判断です。
この3つの市場で競争したら、今のままのホモソ(ホモソーシャル)の日本企業は沈没し、ジリ貧になっていくのは簡単に予想がつきます。
https://www.businessinsider.jp/post-229894