ミャンマー国軍総司令官「今年は平和回復」といいながら、年末年始も空爆続ける
2022年1月2日 19時37分

 【バンコク=岩崎健太朗】ミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官は1日、軍系テレビや国営紙を通じ「2021年は国にとって重要な年で、さまざまな課題に直面した。国軍は、国の安定や発展に向けて奉仕している」と述べ、年頭所感で昨年2月のクーデターの正当性をあらためて主張した。

 総司令官は「平和で豊かな国づくりのためには、すべての民族、国民の団結が必要だ」と呼び掛け、少数民族武装勢力との和平交渉に力を入れると強調。少数民族武装勢力の一部は、国民民主連盟(NLD)関係者や武装抵抗を続ける若者らを支援しており、民主派を「テロリスト」として孤立化させる思惑がある。

 ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」の1日時点のまとめでは、クーデターから11カ月で、国軍の弾圧で殺害された市民は少なくとも1393人。武装抵抗中に命を落とした市民らは含まれておらず、犠牲者はさらに多い。

 総司令官は「今年は平和回復のための新たな歩みを始めなければならない」と語る一方、抵抗勢力を一掃する姿勢を緩めていない。東部カヤ、カイン州、北西部チン州、ザガイン、中部マグウェなどでは空爆や砲撃に多くの住民が巻き込まれ、現地メディアによると1日も攻撃が続いたもようだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/152116?rct=world