農民工
のうみんこう

中国において、居住地の農村から離れて都市部に出て就労する出稼ぎ労働者をさすことば。

とくに貧困地帯である内陸部の河南(かなん)省や湖南(こなん)省などの出身者が、沿岸部の上海(シャンハイ)や深?(しんせん)などへ移動し、建設業、製造業などに単純労働者として従事するのが一般的である。

中国では厳しい戸籍管理制度が実施されているため、農民工は都市部で長年働いたとしても、戸籍上その都市の住民になれず、身分も農民のままのケースが多い。

また、都市部出身の労働者と比べて労働条件が悪く、収入も少ない。

さらに、農民工の子供が都市部の公立学校に入学するのはむずかしく、医療保険の加入率が低いなど、福祉厚生面でも都市部住民と大きな差がある。

 中国国家統計局の統計では2017年時点の農民工の総数は2億8652万人。

「農民工に都市部住民と同じ権利を与えるべきだ」と主張する世論が高まっていることを受け、農民工による労働組合が認められ、戸籍移動を緩和するところも増えている。

都市部住民との格差はまだ大きいが、雇用条件などが改善されつつある。

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