中国で、ある女性が自身の娘の写真が「日本人美談エピソード」の手段に使われたとして起こした訴訟に「勝訴」したことがわかった。

 6日、韓国メディア「セゲ(世界)日報」は中国メディア「澎湃(ほうはい)新聞」の記事を引用し、杭州インターネット裁判所は女性が杜(ドゥ)被告を相手取り起こした肖像権侵害訴訟で、1万5000元(約27万円)を賠償するよう命じる判決を下したと報じた。

 今回の訴訟は、杜被告がブログに原告の娘の写真を投稿して「日本人の小さな少女」と紹介したことから始まった。

 杜被告は昨年7月、ブログに女の子の写真を掲載した上で「勇敢に1人で、鞄を持って地下鉄に乗っていた日本の小さな女の子は、空席があるのに座らずに立ちながら地下鉄に乗っていた」とし、「交通機関を利用する際、(空席があっても)立って乗車するのは、日本人の不文律であり伝統」と主張。
また「家庭と学校では、老人や障害者が座れるように席を譲るようにと教育される」と説明した。

 しかし、この投稿を見た現地のネットユーザーらは、写真に写る少女が「杭州に住む3歳の中国人」と特定。
また、ネットユーザーらは杜被告が保護者の同意を得ずに日本人美談エピソードの手段として子どもを利用したとして「謝罪すべき」と指摘した。

 しかし杜被告は謝罪せず、投稿の写真も削除しなかったため、少女の母親は訴訟を起こした。

 判決後、母親は中国SNS「微博(Weibo)」を通して「正義は勝利する」とし、「愛国心を守るために開始した訴訟であり、賠償額は重要ではない」と投稿した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5086e46f0c875fe94c8b0d828bf0f8e4b210a826