■ たびたびの要請を無視した同盟国がもたらす第6波
「基地から感染が拡大したことは、間違いない」
沖縄県が過去最高の感染者を確認して、まん延防止等重点措置を政府に要請した6日、吉田氏が言った。
「ちょうど2〜3日前からマスクをする米軍関係者が増えたが、それでも半分から3分の2程度だ。しない人はしない」
山口県には岩国基地がある。事情は変わらない。やはり6日、同県の新規感染者は181人と過去最高を記録した。
同県東部にある同基地から隣の広島県にも感染が広まる。
そういえば、いまからおよそ100年前に世界中に大流行した「スペインかぜ」も、きっかけは米軍だった。
第1次世界大戦で欧州に派遣された米軍のテントから世界に拡散した。
ただ、当時は未知の新型インフルエンザに遭遇したばかりで、米軍すらその実態を掴めずにいた。
だが、今回は違う。新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」の存在を知っている。本国を見れば、それがどういう結果をもたらすかわかるはずだ。
それで日本側が対策を求めても応じようともしない。挙げ句に日本国内に感染爆発をもたらし「第6波」の引き金を引こうとしている。
■ 強く抗議できない日本
極端にいえば、生物兵器を撒かれたようなものだ。「貧者の核兵器」とも呼ばれる生物・化学兵器だが、実際に2002年に中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生して、翌年に感染拡大したときには、中国で開発中の生物兵器が研究施設から漏れ出したのではないか、という憶測まで流れていた。
さすがに今回の新型コロナウイルスについては、米国の情報機関が生物兵器として開発されたことを否定している。
だが、かつてオウム真理教が炭疽菌を培養して撒布を企てたように、既存の細菌やウイルスも生物兵器として利用できることは歴然としている。
今月5日、記者会見に臨んだ中国外務省の汪文斌副報道局長は、沖縄県で在沖縄米軍由来の新型コロナウイルスのオミクロン株が広がったことに関し
「海外の駐留米軍は(感染を一気に広げる)スーパースプレッダーになっている」と批判してみせた。だが、そんなことは中国に言われる筋合いのものではない。
とんだ笑いぐさだ。
とはいえ、米軍の対応は新型コロナウイルスを世界に拡散させた中国を笑えないものにさせる。安全保障どころか、日本に災禍をもたらす。
再三の要請にも具体策を示さず、地位協定をいいことに米国内と同じように振る舞う。まるで従属国のようなあしらい。
これが同盟国のすることだろうか。それに厳然たる抗議もできない日本も同盟国と言えるのだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3e97cd801b0243b888e160136cb121033f734b6?page=2