さらに踏み込んで「オミクロン株を過度に恐れる必要はない」と断言するのは、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授だ。

「そもそも、日本人は新型コロナに強かった。ただ、要因がBCGによるものなのか、旧型のコロナに感染していて交差免疫があったからなのか、新型コロナウイルスが2020年1月以前から日本に上陸していたからなのかはまだわかりません。

 感染者数は緊急事態宣言に関係なく、上昇しては減少するを繰り返していました。感染しやすい人が一通り感染したら、自然に減少し、ウイルスが変異すると再上昇する状態が続いていたんです。そして現在、ほとんど感染者が出ていません。日本は一時的に集団免疫に近い状態になっています」

 宮沢准教授は第4波のアルファ株、第5波のデルタ株と、変異によって感染流行が起こりつつも、ウイルスに “選択” が起きていたと話す。

「変異することで強毒化、弱毒化の両方に向かう可能性がありますが、弱毒化したウイルスのほうが宿主に感染に気づかれず、広がりやすい。弱毒化した変異ウイルスが選択され、集団中で優勢になるから、旧株より感染力が強く見える、ということが起きるのです」

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