韓国や台湾には、時価総額が巨大な企業が登場している。
韓国のサムスンの時価総額は、現在、4419億ドルで、世界ランキング第16位だ。
台湾のTSMCは、6239億ドルで、世界ランキング第10位だ。
これらはいずれも、日本で時価総額トップの企業であるトヨタの時価総額(2567億ドル、世界第41位)より大きい。

2010年頃に、日本の電機メーカーから、「打倒サムスン」の声が起きた。
しかし、実際には、打倒されてしまったのは、日本のメーカーだった。

当時の日本を代表する総合電機メーカーの現在の時価総額は、次の通りだ。
ソニー:1567億ドル、日立:516億ドル、富士通:340億ドル、三菱電機:271億ドル、東芝:178億ドル、NEC:126億ドル、パナソニック:110億ドル。
これらすべてを合わせても3108億ドルで、サムスンの7割にしかならない。
これらすべてにトヨタを加えても、TSMCに及ばない。

半導体も、かつては、DRAMの分野で、日本メーカーが世界を制覇した。
いまは、台湾のTSMCが、世界のどのメーカーも追随できない製品を作っている。
日本政府は先頃、工場建設費の6割を負担してこの工場を日本に誘致することを決めた。

韓国や台湾では、通貨高が貿易収支の黒字を増大させ、経済成長率を高めて賃金を上昇させるという好循環が実現した。
それに対して、日本では、円安が貿易収支の黒字を縮小させ(あるいは赤字化し)、経済の停滞がもたらされた。

https://toyokeizai.net/articles/-/500552