日本経済新聞系列の研究機関、日本経済研究センターは先月発表した「アジア経済中期予測報告書」で、
日本の1人あたりGDPが2027年には韓国に、2028年には台湾に追い抜かれると予想した。
こうした「逆転」が起こる理由は、日本の低い労働生産性のためであり、その根本には「遅れをとったデジタル改革」があると、同センターは分析した。

−−日本経済がこのようになった決定的な理由は何か。

「沈滞は1990年代半ばから続いていたが、加速させたのは『アベノミクス』だ。安倍晋三元首相は金融緩和で意図的な円安政策をとった。
円安になれば輸出が多い企業の利益は増える。ところが、こうした利益は労働者の賃金向上にはつながらなかった。ドルに換算されるGDPは当然低く表れる」

−−アベノミクスは失敗したということか。

「方向を完全に誤った。経済が沈滞から脱する道は、企業が絶えず技術革新をして生産性を高めることしかない。
しかし円安で容易に利益を得た企業はそれをしなかった。韓国の場合、輸出依存国にもかかわらず、ウォン安を誘導する金融政策をとらず、
生産性を高めるための努力をした。1990年代末のアジア通貨危機の衝撃が影響を及ぼしたとみる」

−−日本の遅れたデジタル化も主な理由に挙げられる。

「1970年代まで日本は銀行の自動預け払い機(ATM)を開発するなど先端技術を保有していた。ところがその後、インターネット時代の変化に適応できなかった。
問題は組織間で意思疎通がふさがった縦割り行政文化だ。インターネットは情報の共有が核心だが、それができなかった。
昨年、新型コロナで政府機関がテレビ会議をしようとしたが、各部署が独自の通信システムを使用するためできなかったという冗談のような話がある」

https://japanese.joins.com/JArticle/286543