中国地方財政悪化が加速 黒竜江・鶴崗市が初の「破綻」
中国・台湾
2022年1月7日 21:30 (2022年1月8日

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM302V10Q1A231C2000000/

【北京=川手伊織】中国で地方財政の悪化が加速している。東北部の
黒竜江省にある旧産炭地、鶴崗市が事実上「財政破綻」したことが明
らかになった。省直下の市としては初めてとみられる。地方財政の悪
化は公共事業の足かせになるほか、公務員給与の削減を通じて個人
消費の下押し要因にもなる。

「不動産価格が白菜の値段のように安い」。鶴崗市は「5万元(約90万
円)あれば家を買える」といわれるほどの過疎地だ。かつて黒竜江省
四大炭鉱の一つとして発展したが、2011年に国が資源枯渇都市に認
定。その頃から経済成長が止まった。

現役世代を中心に人口が流出し、20年時点では10年前から16%減った。
直近で人口約90万人の同市では60歳以上の比率が24%と、全国平均
の19%を上回る。経済の停滞と高齢化で財政赤字は拡大している。一
般会計にあたる一般公共予算をみると、23億元の歳入に対し、歳出
は6倍の137億元に達した。