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四万十川のアオサ収穫、過去最低...1.2トンに漁師落胆

 四万十川河口域で養殖されるアオサノリの収穫量が今年は1・2トンと、台風の影響でゼロだった2005年を除くと過去最低だったことが分かった。収穫の減少傾向は10年ほど続いているが、長期的な不漁の原因は明確になっておらず、川漁師からは「もう手を引こうか」と悩む声も上がっている。

 養殖は1958年に始まった。汽水域の竹島川などに網を竹ざおで固定、10月上旬に種付けする。生育したアオサノリは3〜5月に手作業で収穫される。

 養殖を手がける四万十川下流漁協によると、90年代の収穫量は年間約30トン。約10年前から10トン未満で推移するようになり、最近も一昨年8トン、昨年4トンと減少傾向に歯止めがかからない。

 アオサノリは水温が高かったり、塩分濃度が低かったりすると種苗が成長しないといわれている。ただ、定期的に水質を調査している四万十川漁業振興協議会は「水温が低くても不漁の年はあった。何が原因なのか、はっきりと特定できていない」と話す。

 同漁協の代表理事、山崎明洋さん(38)は「実入りが少なくて、みんな困っている。毎年『来年こそはたくさんできるかも』と思いながら養殖してきたが、これからどうなるか…」と肩を落としていた。