欧州議会のサッソーリ議長、任期満了の直前に死去
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/01/dd5c3e82750a2162.html

欧州議会のダビド=マリア・サッソーリ議長が1月11日に死去した。65歳だった。

サッソーリ氏は2019年7月から欧州議会のトップである議長を務めていたが、2021年秋から体調を崩していたため1期目の任期後の再任は希望せず、
2022年1月中旬に1期2年半の任期を終え退任する予定だった。

サッソーリ氏はイタリア出身で、欧州議会では第2会派である中道左派の社会・民主主義進歩連盟(S&D)グループに所属。
イタリアでジャーナリストとして活動した後、2009年の欧州議会選挙でイタリア中部選出の欧州議会議員に初当選し、以後3期を務めた。
議長としては、2021〜2027年度のEU中期予算の成立において、研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」の増額など、
欧州議会の主張を一定程度、中期予算に組み込むことに貢献した(2020年11月11日記事参照)。
また、EUの中長期的な課題としての組織改革にも取り組む意欲を示し、EU市民の声を政策に反映させる
「欧州の未来に関する会議(Conference on the Future of Europe)」の立ち上げなどに力を注いだ。

最後に公に姿を見せたのは、2021年12月16日の欧州理事会でのスピーチとなった。
ここでは、「革新を起こす欧州・市民を守る欧州・民主主義のモデルとして輝く欧州」をテーマに持論を述べた。
EUが目の前の課題だけでなく、現状では欧州委員会が独占する法案提出権を欧州議会にも認めることや、
EUとしての新たな独自財源の開拓を含む、将来の諸課題に取り組むべきと示唆していた。