岸田首相、プライマリーバランス「25年度黒字化」目標維持を表明
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220114-OYT1T50121/

 岸田首相は14日午前、政府の経済財政諮問会議で国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を
2025年度に黒字化を達成する目標について「変更が求められる状況にはない」と述べ、維持する方針を表明した。
内閣府は経済成長が続いて歳出を抑えれば、25年度に達成できると試算した。
ただ、前提となる成長率は、日本の潜在的な成長率よりも相当高く、実現は容易ではない。

 PBは、社会保障や公共事業といった基礎的な政策の経費について、
どこまで新たな借金に頼らずに税収などで賄えているかを示す指標。
赤字なら、国債をはじめ借金への依存度が高いことになる。

 試算によると、目標達成は国内総生産(GDP)の実質成長率が2%程度で続くことを想定した。
岸田内閣の進める科学技術やデジタル化への投資活性化で景気が拡大し、税収が増えることを見込んでいる。

 これに加え、社会保障費を高齢化対応に伴う増加分に抑えるなどの歳出改革を23年度以降も実施した場合、
PBの改善効果が年1・3兆円程度になると推計。25年度のPBは2・2兆円の黒字になるとした。

 歳出改革をしなければ、25年度は1・7兆円の赤字となる。昨年7月時点の試算よりも1・2兆円改善するものの、目標達成は1年遅れて26年度となる。

 ただ、いずれも試算の前提となる成長率の持続は厳しい。
内閣府によると、日本の潜在成長率は0%台にとどまる。
最近10年間で実質成長率が2%を超えたのは、13年度に限られる。

 成長率が1%程度の場合、25年度の赤字額は4・7兆円で、31年度になっても黒字化は難しいとした。