南太平洋・トンガ沖噴火に伴う津波注意報が解除された16日午後、宮城県の松島湾でワカメ養殖を手掛ける赤間広志さん(73)=塩釜市=は、養殖施設の被害状況を確認するため船を出した。記者が同乗すると、普段は整然と列をなして並ぶ浮き玉が、変わり果てた姿を見せた。
(塩釜支局・高橋公彦)

 漁港を出港すると数分で養殖施設が広がる海域に到着。施設は、大きなS字を描いて蛇行したり、ロープが絡まって浮き玉が密集したりしていた。

 ワカメの収穫期は一般的に3、4月だが、松島湾は水温変動が緩やかで生育が良く、12月に刈り取りが始まる「早採りワカメ」として知られ、収穫が最盛期を迎えていた。

 散乱するロープや浮き玉の下にある海はワカメで黒々とした色をしている。赤間さんは「生産は順調で、今が一番伸びている状態。いいワカメなのにもったいない」と嘆く。

 赤間さんの養殖施設は約60本のうち半分程度が残った。1本のロープの長さは約50メートルで、両端に付けたくいなどを海底に打ち込んで固定していたが、津波で流されたとみられる。

つづき かきもだめそう
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