ハーランドが来てノルウェー代表は変わった。
ハーランドは身長194センチで誰よりも速く走り、
テクニックも「下を向いてボールに触るな」と、
ビッグクラブの選手のような技術をチーム全員に求めた。
彼は酒、タバコを一切やらず、夜遊びもしない。
代表合宿中、練習以外の時間は大半が釣りか農業に費やされる。
そんなモンスターなルーキーにベテラン選手たちはついて行けなかった。
見かねたウーデゴーアが、ハーランドに「ベテランが緊張している。
パーティーを開いて打ち解けよう」と提案した。
ハーランドは笑顔で「マルティン、ありがとう。
僕もドルトムント入りしたばかりの頃は、サンチョのテクニックに嫉妬したものだ。
早速、今夜ミーティングルームでパーティを開こう」と応えた。
その晩、選手たちはミーティングルームに集合した。
ビッグクラブ並みの厳しい合宿で、初めて息抜きが出来る、そう喜びながらドアを開けた。
テーブルの上には、ミネラルウォーターとカラフルな野菜スティックが所狭しと並べてあった。
「ようこそ、パーティへ」ハーランドは上機嫌だった。