日本では、長い出世競争に打ち勝って、やっとたどり着いたCEO職で平均年棒が1億2000万円程度。厳しい累進課税の税金を払った後では郊外に小さな家しか建てられない。そんな住宅環境、生活環境を見ても、日本の若者は夢など持てないだろう。

 ましてや日本は格差是正の名目で所得税の累進は厳しいし、相続税は重税化している。配偶者と子供2人で4800万円の基礎控除しかない。

 先進国の中で、そんな国は日本くらいではなかろうか?  世界は相続税の軽減化の方向だ。国会で質問した時、米国では重税化しているとの答弁を得たことがあるが、無税だった相続税が復活したものの相続人は1人約10億円の基礎控除がある(毎年インフレ率で変わる)。両親から相続すれば約20億円の控除だ。

 日本を引っ張るリーダーたちのエネルギーや時間、興味は、相続税節約という後ろ向きの論点に向かっている。残念でならない。

https://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220120-00053944-president-column