ドキュメンタリー字幕問題、NHKが調査チームを設置


 NHKが不確実な字幕をつけてドキュメンタリーを放送した問題で、NHKは24日、問題の原因や背景を正確に把握するための調査チームを設置したと発表した。松坂千尋専務理事を責任者とし、番組内容などに関わる編成局に、人事局の担当も加えた約15人で組織する。問題の原因の把握とともに、再発防止に向けた取り組みも検討していく。

 NHKは昨年12月26日のBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、インタビューした男性について「五輪反対デモに参加しているという男性」などと確認が不十分な字幕をつけて放送した。

 NHKは今月19日の記者会見で、東京五輪公式記録映画の監督を務める河瀬直美さんの撮影チームのメンバーで、番組に登場した映画監督の島田角栄さんから、番組の担当ディレクターが、この男性がデモに行く予定があることを聞いたと説明した。その後、島田さん側が、NHKから字幕内容についての確認はなかったと抗議。NHKは、会見での説明は誤解を与えるものと訂正した。島田さんには22日に直接謝罪したという。

 今回の訂正・謝罪に合わせて、NHK広報局は「今回の番組は、すべてNHKの責任で取材・制作しており、公式記録映画とは内容が異なります。番組にご協力いただいた河瀬さんや島田さんに一切責任はありません。河瀬さんや島田さん、インタビューに答えていただいた男性をはじめ、番組の中で取り上げさせていただいた方々、映画製作の関係者、視聴者のみなさまに重ねて深くおわびいたします」とのコメントを出した。