冷え込みの激しい季節に、浴室などで寒暖差が体調不良を引き起こす「ヒートショック」の危険性が高まっている。千葉県内各地の消防局によると、浴室内での救急要請は昨年10月から今年1月中旬まで、350件以上あった。コロナ禍で自宅で浴槽につかる人も増え、消防などは注意を呼びかけている。(大津杜都)

 「浴室内で意識もうろう状態です」――。先月27日午前7時45分頃、柏市に住む女性から119番があった。同市消防局の救急隊員が駆けつけると、70歳代の男性が浴槽内で脱力した状態で見つかった。

 男性は市内の病院に運ばれた後、一命を取り留めた。医師からはヒートショックと診断されたという。

 千葉大病院救急科の大島拓医師(45)によると、ヒートショックは、急激な温度差で血圧が上下し、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞などを起こす症状。「血管に異常がある人や高齢者らにリスクが高く、気温が下がりやすい早朝や深夜帯での入浴や長風呂は避けた方がいい」と注意を喚起している。

 長引くコロナ禍の影響で、在宅時間が増え、ストレス解消に浴槽につかる人の割合が増加している。入浴剤メーカーのバスクリン(東京都)が昨年3月、10〜60歳代の2000人を対象にした調査では、新型コロナが蔓延(まんえん)した前後で、毎日入浴する人の割合は3・3ポイント、お湯に10分以上つかる人の割合も2・9ポイント増えた。

 木更津市の消防本部は、ホームページに部屋と脱衣所の寒暖差を低くする方法やお湯につかるのは10分以内といった予防法を紹介している。消防本部の担当者は「ヒートショックは例年、11月から2月までの時期に多発している。温度変化のある場所では注意してほしい」と呼びかけている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d3ce117c53b78796d624301bde151089beb33497