進化したヒトの脳はサルより回転が遅い? 新潟大学脳研究所が霊長類4種類で検証


新潟大学脳研究所は、音を聞いてから大脳がそれを分析するまでの時間を、霊長類4種類で測定したところ、ヒトがもっとも遅かったという研究結果を発表した。サルよりも発達した脳を持つ人間のほうが、脳の処理に時間がかかるということだが、これは退化ではなく、むしろ進化の結果だという。

新潟大学統合脳機能研究センターの伊藤浩介准教授、京都大学霊長類研究所の中村克樹教授、京都大学野生動物研究センターの平田聡教授らによる研究グループは、ヒト、チンパンジー、アカゲザル、コモンマーモセットの4種類の霊長類を使って、音に対する大脳聴覚野の応答時間を脳波で無侵襲で計測した。音によって大脳の聴覚野から誘発されるN1という脳反応が、何ミリ秒後に生じるかを調べたものだ。その結果、コモンマーモセットが40ミリ秒、アカゲザルが50ミリ秒、チンパンジーが60ミリ秒、そしてヒトが100ミリ秒ともっとも遅かった。
https://jp.techcrunch.com/2022/01/27/human-brain-process-is-slower-than-apes/
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