「寝たきりの親にパラサイト」訪問診療医射殺事件にちらつく"8050問題"家庭の末路

近年報道された「患者および家族による医師襲撃事件」について表にまとめた。犯人は全員男性であり、40代以上の中高年が目立つ。

2014年には、「東京都内の大学病院に火炎瓶15本投下」という、運が悪ければ大阪府のクリニック放火事件を超えるレベルの死者が出かねない事件が発生している。場所は、東京都八王子市の東海大学医学部付属八王子病院。
犯人は40代の元入院患者であり、入院中より職員に「シャワーの順番が遅かった」「もっと俺の待遇を良くしろ」と長時間にわたってクレームをつけるなど、今回の事件と重なるようなモンスターペイシェントぶりを発揮していた。
スプリンクラーが作動してスムーズに鎮火したので死傷者が発生しなかったせいかニュースとしての扱いは小さく、さほど世論も動かなかったので、病院関係者が身を守るための積極的な予防策は生まれなかった。

2021年5月には千葉県市川市で「訪問診療に訪れた精神科医師の頭を、20代患者が刃物で刺す」という今回の事件を予感させるような事件が発生している。しかしながら、ローカルニュースにとどまり、世間のみならず医療関係者内での注意喚起も薄かった。

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