1995年に発売されたCASIO QV-10は,ディジタルカメラというものを一般市場に定着させた,まさにエポックメイキングな製品であった。
その撮像素子は25万画素で,ピント調整はできず(固定焦点),フラッシュも内蔵されていない。写真を撮る道具としてはやや物足りないものであったが,
撮影した画像を内蔵した液晶モニタですぐに見られることや,パソコンに取りこんで利用するなど,あたらしい価値観を定着させた功績は大きい。
 画質の面ではまったく物足りない仕様であった一方で,ディジタルカメラならではの特徴として,レンズ部分が回転できるようになっているなど,ディジタルカメラならではの機構も盛りこまれていた。
 撮影した画像をパソコン取りこめるという大きな特徴があるものの,メモリカードには対応しておらず,撮影した画像は内蔵メモリにのみ記録される。
USB端子やIEEE1394端子などが登場する以前のことであり,パソコンとはシリアル端子(RS-232C)で接続する。撮影した画像をパソコンに取りこむには,
専用の接続ケーブルとソフトウェアが必要であった。その他オプション品として,専用のフロッピーディスクドライブが用意されていた。

https://www.awane-camera.com/7/2/casio_qv-10a/index.htm