2022年、アニメ『うる星やつら』(原作:高橋留美子)が36年ぶりに完全新作で復活、フジテレビ「ノイタミナ」枠などで放送されます。声優は、主人公あたる役に神谷浩史さん、
ラム役には上坂すみれさんに決まっています

 1981年10月にスタートしたアニメ『うる星やつら』は最高視聴率27.4%を記録する大ヒットとなります。最終回は1986年3月、
タイトルは「オールスター大宴会! うちらは不滅だっちゃ!!」でしたが、放送終了後、一部のファンから抗議が殺到し
プロデューサーにはカミソリ入りの手紙も届いたとか。マンガは「少年サンデー」で連載中だったので、この最終回は
アニメオリジナルになりますが、原作の「アマテラス宴会」というエピソードをモチーフにしています。いったい何が
ファンの逆鱗に触れたのでしょう?

●あたるとラムのキスシーンもあるが…
 まず、第218話「オールスター大宴会! うちらは不滅だっちゃ!!」はどんな内容だったのか、振り返ってみましょう。
……おなじみのメンバー、そしてサブキャラの元にも差出人不明の手紙が届きます。
内容は「友引高校で大仮装大会が開催される」というもの。あたるのクラスの仮装テーマは「日本神話」に決定します。
中略
空から落ちてきた天岩戸(本来の仮装演出用?)が、あたるとラムのふたりを閉じ込めます。ここから急に、
ロマンチックな展開に。ラム「ダーリン?」目を閉じるラム。ラム「誰もいないっちゃ」。あたるがキスしようと顔を近づける。
ラム「目は閉じるのがエチケットだっちゃよ」……キス。

 外にいる面堂の部下が紐を引くと岩が崩れ落ちキスをしているふたりがオープンに。面堂やメガネたちが詰め寄ろうと
するとミサイルがどっかーん! エアバイクに乗った弁天が登場。これをきっかけに、
過去の放送に出演したキャラクターたちが大勢押しかけてぐちゃぐちゃに。
(放送スタート時のED曲「宇宙は大ヘンだ!」が流れる)なかには後放送を受け継ぐ『めぞん一刻』の響子の姿もありました。
最後は宇宙の彼方から見える地球がくす玉のように割れ、「またね!」の文字が出て終わります。

 しかし、一部のファンからは不満が爆発します。根本的に原作が終了する前にアニメが終わることに納得いかない声が
多かったのですが、それに輪を掛けたのが最終回だったようです。当時、筆者の友達に熱狂的なファンがいて
「ドラマチックな結末が見たかった。期待したのに」と話していましたが、どうやら長く続いたラブコメディのラブの
部分に素敵な結末を求めていた人が多かったようです。特に終盤は、「ときめきの聖夜」、「君去りし後」の
ようなふたりの愛を描いた切ない話が減っていましたから、少し裏切られた気持ちも分かります。

 これはあくまで考察です。最終回ですから制作はかなり悩んだでしょう。結果的にドタバタ劇にした理由は、
「連載が終わっていないマンガに配慮したから」ではないかと思っています。マンガ連載が終了していれば
オリジナルのラストストーリーだって描けたはずです。でもリスペクトすべきは原作です。
もしも、あたるとラムの愛の結末がアニメ史に残る神回になったとしたら、原作の最終話に高橋留美子先生は
悩むでしょう。だからあえてにぎやかで派手なお祭り模様で終わらせたのではないでしょうか。とはいえ
、あたるとラムの愛を確かめるようにキスシーンを入れて少しほっこりさせたのは最終回だからこそ、だと思います。
みなさんはどう感じますか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/29d08a44b796202bcf7561125a0bfcfdf319ef37