英軍がウクライナ危機で戦う「可能性は低い」 英外相、「抑止と外交」に注力
イギリスのリズ・トラス外相は30日、BBCの朝のテレビ番組に出演し、緊迫するウクライナ情勢について説明した。ロシアがウクライナに侵攻する「現実的な脅威」があると述べた一方で、イギリス軍が戦闘のために派兵される「可能性は非常に低い」と述べた。

トラス外相は、派兵に代わって、ウクライナに兵器を供給すると共に、ロシアに対する制裁を「強化」し、ロシア政府に近しいオリガルヒ(富豪)らが「どこにも隠れられないようにする」と述べた。

また、ウクライナ周辺の北大西洋条約機構(NATO)加盟国への追加支援も考えていると話した。

ロシアは現在、10万人規模の部隊と大砲、ミサイルをウクライナ国境付近に集めている。だが、ウクライナを侵攻する計画はないとしている。

しかしトラス氏は、ウラジミール・プーチン大統領が侵攻を考えている可能性は「非常に高い」と指摘。どんな侵攻でも「欧州にとってひどいものになる」と語った。

「我々はあらゆる抑止と外交の手段を使って、プーチン氏に思いとどまるよう要求している」

トラス外相によると、イギリスはすでにウクライナで2万人の兵を訓練し、対戦車ミサイルを供給したほか、同国の海軍やエネルギー業界にも支援を行っている。

また、ボリス・ジョンソン英首相は29日、ロシアへの圧力を強めるため、東欧への英軍派兵の倍増を提案するか検討していることを明らかにした。

イギリスは現在、エストニアに英兵900人超を駐留させている。ウクライナには同国軍を訓練する目的で、英兵100人超を送っている。隣国ポーランドには小規模機甲部隊の約150人を派遣している。

トラス氏は、2週間後にウクライナとロシアを訪問する予定。また、イギリス外務省は31日にも、議会でロシアに対する追加制裁を発表する見通し。ロシアの金融機関やエネルギー企業、「ロシア政府の継続において(中略)鍵となっている」人物らが対象となるとみられている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4f83fad1757f5fd395a727b36833a08c8551548f