報徳会宇都宮病院に今も君臨する95歳社主の正体

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1984年3月14日、報徳会宇都宮病院の看護職員が入院患者2人を暴行し死亡させたとしてマスコミ各社が一斉に報道した。1961年に57床から出発した同院は増改築を繰り返し、事件発覚時には920床(在院者944人)を有する、北関東最大の精神科病院となっていた。入院患者を定員超過まで詰め込む一方、有資格の職員は精神科医3名、看護師6名、准看護師61名とごく少数。そこで一部の入院患者を「配膳」と称し使役し、看護師らは主に彼らを活用し、暴力による恐怖支配を徹底していたとされる。

実権を持つのは石川文之進院長ただ1人であり、その指示により無資格者や入院患者がほかの患者の注射や検査等を行っていた。報道後、捜査を開始していた栃木県警は無資格診療指示の疑いで同氏を逮捕。その後起訴され、懲役8カ月の実刑判決が確定した。厚生労働省の医道審議会は同氏に対し医業停止2年の処分を決定した。

立件こそされなかったが、事件発覚前の3年強の間に計222人の入院患者が死亡しており、このうち19人は明らかに「不自然な死亡」であったとされる。また死亡患者の脳は、東京大学に標本として提供されるなど、東大医学部との蜜月も当時強く問題視された。