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 ウイルスについて深く考える時、興味深い現象がある。
◆「赤潮」…『プランクトンが大量発生し』、時に漁業に大きな被害をもたらす。
 実は、赤潮の発生を左右するものの1つが、ウイルス。「ヘテロシグマ・アカシオ・ウイルス」。
 電子顕微鏡で断面図を見ると…プランクトンの遺伝子が入っている、大事な「核」。
しかし、ひとたびウイルスに感染すると、核がぺしゃんこに。代わりに現れた無数の点は、増殖したウイルス。
 『感染が広がると、プランクトンは分解され、赤潮は消滅する』。
 つまり、『ウイルスは、生態系に欠かせない』。物質循環に、非常に大きく関わっている。
ウイルスがいないと、生態系は今の仕組みでは動かない。
◆興味深いのは、赤潮とは『プランクトンが密になった状態』。
 つまり、ウイルスは、『自然界で密を解消させる役割』も担っている。
 ただ、ウイルスには意思がないから、意図してやっているわけではない。
長い進化の歴史の中で、「宿主とウイルスのバランスを取る」ような仕組みが、自然と出来上がったと考えられる。