乗用車で交差点を左折した際に男性をはね重症を負わせたとして、過失運転傷害罪に問われた和歌山市の女性会社員(43)の裁判で、和歌山地裁(畑山明則裁判官)が「保険金目当ての偽装事故(当たり屋)の疑いが極めて高い」として無罪(求刑・懲役1年)を言い渡していたことが分かった。
判決は今年1月25日付。検察側は控訴せず、無罪が確定した。
判決で畑山裁判官は、男性が2年間でこの事故を含め5件の交通事故で被害者とされたことを疑問視。「確率は約58億4000万分の1で、『ジャンボ宝くじ』の1等の当選確率と比べても異常な頻度」などと指摘した。
和歌山地検の宮本健志次席は「控訴審で新たに立証できる事項に乏しいと判断した」とのコメントを出した。【高橋祐貴】