アパレルに泣きついた外食が「親」に三行半の真相 コロナ長期化で筆頭株主の外食大手と溝深まる


コロナ禍の長期化で正念場が続く外食業界。窮地に陥った大手企業に“子”が見切りをつけ、異業種に駆け込む動きが出てきた。

2021年12月、アパレル大手のアダストリアはハワイアンレストラン「アロハテーブル」などを展開するゼットンのTOB(株式公開買い付け)を発表した。2022年2月16日までに株式の51%を上限に、1株950円で買い付ける。TOBが成立すればゼットンはアダストリア子会社となり、上場は維持する見通しだ。

TOBに先立つ2021年12月末、ゼットンは第三者割当増資によりアダストリアから約13億円を調達している。コロナ禍で収益低迷にあえいでいたゼットンは、これらを借入金の返済や運転資金に加え、成長投資にも使う計画だ。

だが、そんなゼットンに不満を隠さないのが居酒屋「わらやき屋」などを展開するDDホールディングス(HD)だ。2021年8月末時点でゼットンの株式を37.4%保有する筆頭株主であり、コロナ前までは4割超の株式を保有する親会社だった。同社幹部は「寝耳に水の裏切りだ。怒りを通り越して寂しさを感じる」と打ち明ける。
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