ロシア軍は、ウクライナと国境を接するベラルーシで、ベラルーシ軍との合同軍事演習を10日から始めます。
アメリカなどNATO=北大西洋条約機構の加盟国は、ロシアが演習を名目に部隊を集結させウクライナに侵攻するのではないかと警戒を強めています。

ロシア国防省などによりますと、ロシア軍とベラルーシ軍は10日から20日までの日程で、ウクライナと国境を接するベラルーシで合同軍事演習「同盟の決意2022」を行う予定です。

ロシア国防省は9日、9000キロ以上離れた極東地域などを管轄する東部軍管区から移送したとする、最新鋭の地対空ミサイルシステムS400が、演習地に到着した映像を公開しました。

ベラルーシ国内には戦闘機スホイ35などもすでに到着し、ロシア各地から軍の部隊が集結していることがうかがえます。

今回の演習についてロシア大統領府のペスコフ報道官は9日「ロシアとベラルーシは前例のない脅威に直面している」と述べ、NATOに対する防衛目的だと強調しました。

ペスコフ報道官は、ロシア軍の部隊は演習が終わったあとはベラルーシから撤収する予定だとしたうえで、プーチン大統領が演習を視察する予定はないとしています。

一方、ロシア軍の動きについて、NATOのストルテンベルグ事務総長は今月3日、ベラルーシ国内に集結しているロシア軍の規模が3万人に達するとみられるとして「冷戦期以降、最大規模の部隊を展開している」と強い懸念を示しました。

また、ウクライナも、10日からウクライナ国内で軍事演習を行うことを明らかにし、ロシア軍の動きをけん制したいねらいもあるとみられます。

ベラルーシ南部の国境からウクライナの首都キエフまでの距離はおよそ100キロと近く、アメリカなどは、ロシアが演習を名目にベラルーシ国内に軍の部隊を集結させ、ベラルーシの国境からウクライナに侵攻するのではないかと警戒を強めています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220210/k10013476711000.html