キオクシア、フラッシュメモリー生産工程で不純物ー操業に影響
古川有希
2022年2月10日 8:14 JST 更新日時 2022年2月10日 10:45 JST
Kioxia's flash memory device.

キオクシアは10日、データを保存する「フラッシュメモリー」を生産する四日市工場(三重県四日市市)と北上工場(岩手県北上市)で1月下旬から一部操業に影響が出ていると発表した。

  発表によると、操業を停止しているのは3次元フラッシュメモリーの一部生産工程で、不純物を含む部材が原因だとみている。
対策を講じて通常稼働への早期復旧を目指す。2次元NAND型フラッシュメモリーの出荷には影響がない見込みだという。

  キオクシアホールディングスの広報担当、山路航太氏は電話取材で「3次元フラッシュメモリーの在庫はあり、出荷は続いている」ものの、今後の出荷には影響が出てくると述べた。
不純物の詳細は言及を控えた。

  合弁パートナーの米ウエスタンデジタルは、現時点での見積もりでは少なくとも同社で6.5エクサバイト相当の生産減少が見込まれると発表した。

ウエスタンデジタル、不純物混入でフラッシュメモリー生産に影響

  エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは「もし影響がその程度に収まるのであれば、スマホなどの生産に大きな影響はない」との見方を示した一方、
フラッシュメモリーの価格上昇は不可避だと述べた。

  ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのアナリスト、アーロン・レイカーズ氏は投資家向けメモで、ウエスタンデジタルで6.5エクサバイトということは、
キオクシアの生産分も合わせると合計16エクサバイトの生産減になるかもしれないとの見方を示した。

  同氏は、今回の混乱はネガティブだが「歴史的には地震や停電といったフラッシュメモリーの生産の混乱は価格設定にプラス影響となり、結果的に株価にもプラスとなってきた」と説明した。

  キオクシアもウエスタンデジタルも具体的な復旧の時期の見通しについては明らかにしていない。通常、シリコンウエハーから最終製品に至るまでには3カ月程度の期間を要する。

  半導体は米アップルのスマートフォン「iPhone」からスーパーコンピューターまで多くの電子機器に使われており、需要の急拡大に供給が追い付いておらず不足の状態が続いている。


(識者コメントや背景など詳細を追加しました)

これはブルームバーグ・オートメーションを利用して作成した記事です。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-09/R728KLT0AFB601