首相表明の「1000床」増設
大阪200床は既設病床 国からの要員で稼働
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2022-02-11/2022021114_01_0.html
岸田文雄首相が9日に増設を表明した新型コロナウイルス感染症対策の1000床(東京都内650床、大阪府内350床)の臨時的医療施設のうち200床は、
大阪府が民間企業に“丸投げ”して開設しながら機能していない病床を国の要員派遣で稼働させることだと判明しました。
10日の政府・与野党連絡協議会で、厚生労働省が日本共産党の田村智子政策委員長に明らかにしました。

問題の病床は、同府が「大阪国際見本市会場」(通称インテックス大阪、大阪市住之江区)に設けた「大規模医療・療養センター」の中等症病床。
同センターでは、1月31日に1000床を設置し、軽症者・無症状者向けに800床の運用を開始。病床逼迫(ひっぱく)を受け、中等症患者向けの200床も稼働させる方針でした。

ところが、田村氏が府内関係者に聞き取ったところ、同センターは株式会社に4億円近い契約で“丸投げ”され、地元医師会にも協力要請がなく、
報道でも4日時点で軽症者・無症状者病床に1人しか滞在していないことが判明。
田村氏が政府・与野党協議会で、岸田首相が表明した1000床分の臨時医療施設と同センターとの関係を質問すると、厚労省は、
大阪の350床中200床は「インテックス大阪が動いていないので、動かすために国から人を派遣するという運用にする」と説明しました。

田村氏は10日の記者会見で、「大阪では医療機関から“『インテックス大阪』はどうなっているのか”“医師や看護師が確保されているのか”と情報開示を求める動きがかなりあった」と指摘。
「医療関係者の派遣は重要だが、“臨時的医療施設をやります”とぶちあげても、機能していない理由をしっかり説明し、その解消に全力で努力しなければ非常に危うい」と強調しました。