HIV感染の米女性、幹細胞移植後に寛解 3例目の報告


HIV(エイズウイルス)に感染した米国人女性が幹細胞移植を受けた後、ウイルスが検出されない寛解状態を維持しているとの症例研究が発表された。

2017年の移植以降、白血病は再発していない。移植から3年で抗HIV薬の投与を中止したが、それから1年2カ月が経過した時点でHIVも検出されていないという。

HIVに感染し、幹細胞移植を受けて治癒(ちゆ)したとみられる患者は、これまでに2人報告されている。いずれの例も、HIV耐性を持つドナーからの移植だった。

HIV耐性の変異は北欧人に多くみられ、非白人へのドナーが見つかる可能性は限られている。今回の患者は混合人種だが、さい帯血移植は成人からの幹細胞移植に比べ、適合の許容範囲が広いという特徴がある。

ただし研究者らによれば、幹細胞移植が適用されるのはHIV感染者のうち、白血病などの血液がんで移植を必要とするごく一部のケースに限られる。

移植後に最大20%の患者が死亡し、ほかの合併症が起きるおそれもあるという危険な治療であるためだ。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も15日のラジオ番組で、「この患者にはたまたま幹細胞移植を必要とする疾患があったが、HIV感染者に幅広く適用されると考えるのは現実的でない」とコメントした。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35183576.html