日本ではこうして、お子さまランチのように、ダイジェスト版のようにされた世界名作物語の後、いきなり大人でも相当の読解力を求められる世界文学全集がコースのようになっていて、若者はついていけなかったのではないでしょうか。

 その間をつなぐ物語文学を戦前は吉川英治、大佛次郎、江戸川乱歩ら大作家が書いていたのに、戦後はまったく出版されなかった。

 ぼくはこの隙間はおかしいと思い、ジャンルではそこを目指して書いてきたつもりです。昨今になってラノベが商売になるとわかった途端、今度はむやみと出るようになったのを見て、それもまたどうかとも思ってしまうのですが。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/291821/4