ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部の親露派武装集団の支配地域に関し、「今、起きているのは(ウクライナ軍による)集団殺害だ」と発言し、
ロシアがウクライナに軍事侵攻する口実にするのではないかと米欧が警戒を強めている。

発言は、15日にショルツ独首相と会談した後の共同記者会見で飛び出した。ショルツ氏は会見場では反応しなかったが、
その後、「集団殺害という表現は間違いだ」と不快感を示した。
米国務省のネッド・プライス報道官も16日の記者会見で、「真実に基づく根拠が何もない。ロシアは侵略前、常にでっち上げた口実を指摘してきた」と語った。

親露派武装集団は2014年からウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州の一部を実効支配し、現在も政府軍と紛争を続けている。
プーチン氏の発言に呼応するように、露連邦捜査委員会は16日、ウクライナ政府軍に殺害された住民がこの地域に埋葬された疑いで捜査を開始した。
タス通信によると、ルガンスク州の親露派武装集団は17日、政府軍から迫撃砲で攻撃されたと一方的に訴えた。

セルゲイ・ショイグ露国防相も昨年12月、この地域で「米国が化学兵器を使った攻撃を準備している」とプーチン氏に報告した。米国は疑惑を否定している。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220217-OYT1T50261/