「その薬、実は不足していまして…」

今、全国の薬局や医療機関でかつてない規模の医薬品の供給不足が続いています。

発端はジェネリック医薬品メーカーで製造上の問題や不正が発覚したことで、この1年余りの間に全国各地のメーカーが業務停止命令の処分を受ける異例の事態となっています。

何が起きているのか、まとめました。

(中略)

小林化工と日医工への処分の後も、各地の製薬メーカーに行政処分が相次いで出されています。この1年余りの間に業務停止命令の処分を受けたメーカーと業務停止の期間(最大)です。※日付は発表日

2021年に業務停止命令を受けたメーカー

2月 9日 小林化工(福井) 116日間
3月 3日 日医工(富山)32日間
3月26日 岡見化学工業(京都) 12日間
8月12日 久光製薬(佐賀) 8日間
9月14日 北日本製薬(富山) 28日間
10月11日 長生堂製薬(徳島) 31日間
11月12日 松田薬品工業(愛媛) 65日間
12月24日 日新製薬(滋賀) 75日間
(厚生労働省・各都道府県への取材に基づく)

(中略)

理由の1つは、行政による査察や各社の自主点検など不正をチェックする取り組みが強化されたためです。

以前は都道府県による製薬メーカーへの査察=立ち入り調査の多くは、事前に日程などを通告したうえで行われていました。

小林化工に処分が出された際の会見で当時の福井県の担当者は「基本的には事前通告して調査を行ってきたが、ねつ造された書類で欺かれた。信じてきたがこれからは疑いの目で見ていく」と話していました。

こうした事態を受けて厚生労働省は去年2月、事前通告せずに行う「無通告査察」を増やすよう都道府県に求めました。

いわば「性善説」に立った査察から「不正を行っているかもしれない」との前提に立った「抜き打ち」の査察中心に切り替えて強化を図ったのです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220217/k10013482541000.html