イーノ氏は、NFTの説明を聞いてもそのほとんどは、「このテクノロジーで何ができるか」という話だったと述べ「どうすれば世の中をより良くすることができるか」という話ではなかった。一言でいえば「どうすればそれを金に変えられるか」という話ばかりだったとしました。

われわれ庶民からすれば、それらは「絶対に儲かる」夢のような話のはずですが、イーノ氏の返答は「これまでのところ、その分野で作る価値のあるものがあると私に確信させるものは何もない。私にとって価値のあるものとは、銀行口座にどれだけ入るかでなく、世の中に価値を提供するために何を実現すべきかということを意味する」とのこと。そして「もし、金を稼ぐのが第一の目的だったなら、いまとは違う人間として、違うキャリアを歩んでいただろう。おそらく、アーティストという職業は選ばなかったはずだ」とその考えを語りました。

さらにイーノ氏は「NFTは、アーティストがグローバル資本主義から少しばかり恩恵を受けるための手段であり、金融化(financialization)のミニチュア版に過ぎないと思う。なんと素晴らしい。これのおかげでアーティストもまた、ちっぽけな資本家というクソったれ野郎(asshole)になれるんだよ」とエレガントな言葉でNFTを売る行為について説明しました。

ブライアン・イーノ氏、NFT販売に対し「価値あるものとは思えない」と持論語る - Engadget 日本版
https://japanese.engadget.com/brian-eno-does-not-like-nft-100027971.html