二之湯智国家公安委員長(参院京都選挙区)が、改選した2016年夏の参院選前の4月と前年の10月の2回に分けて計2400万円を自身が代表を務める政党支部や政治団体から自民党京都府連に寄付していたことが16日、政治資金収支報告書から分かった。自民の京都府議と京都市議は当時48人だったため、府連を介し1議員当たり50万円が渡った計算となり、「マネーロンダリング(資金洗浄)する」との記述があった府連の内部文書に記載されていた金額「1人につき50万円」と符合する。

 二之湯氏が代表を務める政治団体「新政経懇話会」や自民党京都府参議院選挙区第3支部の収支報告書によると、15年10月2日に1440万円、16年4月27日に960万円をそれぞれ「交付金」として府連に支出していた。一方、府連の収支報告書では48人の府・市議の政治団体や政党支部に対し、15年10月7日に各30万円、16年5月7日に各20万円と2回に分けて支出されていた。

 府連事務局内の「引継書」とされる内部文書に衆院選の活動費は「議員1人につき50万円」とあり、参院選では西田昌司府連会長(京都選挙区)が立候補した13年選挙前年の12月に「活動費50万円のうち30万円を交付したい」と書かれている。

 また参院選の候補者は選挙前年の暮れに府議と市議1人あたり30万円分、選挙の年の春に20万円分を分割して寄付するのが慣例だったという複数の府連関係者の証言がある。19年の参院選に立った西田氏もほぼ同じ時期に府連に相当額を支出している。

 二之湯氏は、マネーロンダリングと記載された「引継書」について10日の衆院予算委員会で「文書の存在は全く知らない」と答弁。14日の衆院予算委でも野党議員から16年4月に寄付した960万円の意図と金額の根拠を問われ「私の思いで寄付した」「資金配分は府連に任せている」と明確な説明を避けていたが、地方議員の数に合わせた額を念頭に府連に支出をしていた可能性が高まった。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/732955