■1年で10頭捕獲も

 10年ほど前から箱わなでアライグマを捕獲している会社員の60代の女性は「1年で10頭捕獲することがある」と近年の増加に懸念を示す。

 アライグマとの因縁は深い。最初に被害に遭ったのは自家栽培していたトウモロコシだ。「一本だけやられたなら『残念』で済むが、少しずつかじられて全滅した」。越谷市の特産品の一つで縁起物として親しまれるクワイも被害を免れなかった。「種から大切に育てていたのに、収穫間際になって荒らされた。アライグマの仕業」と憤る。
 女性はわなを置く位置に細心の注意を払う。指が長く特徴的なアライグマの足跡を発見すると、足跡が向かう先の直線上から少しずれたところに置く。足跡が鮮明になる雨上がりにはよく捕れる。経験を積むうちに、旅先でも目ざとく足跡を見つけ「(この地域にはアライグマが)いる」と直感できるようにまでなったという。女性は「みんなで気を付けることが大事」と越谷市のキャンペーンに賛同する。

■かわいいイメージ

 啓発活動に合わせて市は庁舎入り口にアライグマなどの剥製を展示している。市民の男性(41)は「アニメでかわいいイメージがあった。越谷にもいるとはびっくり」と剥製の写真を撮影。パート従業員の女性(53)は「栽培していたスイカが食べられていたことがあったが、アライグマだったのかも」と首をかしげ、「危ないから近づかないようにしようね」と孫に語り掛けていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bf86fc5430acc58a1b06773de43a5f7b92e83a75