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地球はやがて宇宙を放浪する!?──現代物理学が予想するもっともありそうなシナリオ
世界的ベストセラー『エレガントな宇宙』著者ブライアン・グリーンによる最新作
『時間の終わりまで』から本文の一部を紹介するシリーズ第10回。
なぜ物質が生まれ、生命が誕生し、私たちが存在するのか。
膨張を続ける「進化する宇宙」は、私たちをどこへ連れてゆくのか。
時間の始まりであるビッグバンから、時間の終わりである宇宙の終焉までを壮大なスケールで描き出す本書から、
地球にこの先どんな運命が待ち受けるのかを紹介します。
宇宙誕生から138億年の現在を起点に、はるか10³⁰年後までを見渡します。
晴れた夜空を見上げれば、天の川銀河には星が密集しているように見える。しかし、実際はそうではない。
星たちはわれわれを取り巻く大きな球面上にひしめいているように見えるが、地球からの距離は星ごとに大きく異なるため、
星同士は遠く離れているのだ──そんなふうに見えないのは、われわれの視力が弱く、両目の間隔が狭いためだ。
太陽をグラニュー糖の一粒ぐらいまで縮ませて、ニューヨーク市にあるエンパイアステートビルのどこかに置いたとすると、
太陽にもっとも近い恒星プロキシマ・ケンタウリに出会うためには、
お隣のコネチカット州グリニッジ近くまで車を走らせなければならない。
そしてグリニッジに到着したときに、
プロキシマ・ケンタウリがまだ近くにいるようにするためには、それほど急いで車を走らせる必要はない。
これぐらいの距離の場合、典型的な恒星たちがお互いから遠ざかるスピードは、時速1ミリメートルにも満たないのだ。
広範囲に散らばったナメクジたちの鬼ごっこのように、恒星が衝突することはまずないし、ニアミスすることさえ稀だろう。
しかしその結論は、1年、100年、あるいは1000年といった、
われわれにとっておなじみの時間スケールにもとづいているため、
今ここで考えている、もっとずっと長い時間スケールでは見直しが必要になる。
われわれがエンパイアステートビルの15階にたどり着く頃には、
ビッグバンから100万年の10億倍という、とてつもなく長い時間が流れている。
そしてそれほどの時間が経つうちには、今は遠くでゆっくりと動いている恒星たちも無数の衝突を経験しているだろう。
では、恒星同士が衝突すると、何が起こるだろうか?
(編集部注:著者は宇宙の時間をエンパイアステートビルの階数になぞらえており、
1階を宇宙誕生から10年、2階を10 ²=100年、3階を10³=1000年、というスケールで表している。
ここでいうエンパイアステートビルの11階は、したがって10¹¹=宇宙誕生から1000億年後を指す)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a53124695d0c5c79cf6c6c0c1c4ec95e644b612