がん細胞を強制的に「眠らせる」薬剤を発見! 

参考文献
New Drug Could Prevent Tumor Metastasis by Putting Cancer Cells to Sleep
https://scitechdaily.com/new-drug-could-prevent-tumor-metastasis-by-putting-cancer-cells-to-sleep/
元論文
An NR2F1-specific agonist suppresses metastasis by inducing cancer cell dormancy
https://rupress.org/jem/article-abstract/219/1/e20210836/212873/An-NR2F1-specific-agonist-suppresses-metastasis-by?redirectedFrom=fulltext

がん細胞を強制的に眠らせることができるようです。
米国マウントサイナイ医科大学(ISMMS)の研究で、活発に増殖する危険ながん細胞を強制的に休眠状態にする薬剤が発見されました。
がん細胞の厄介な能力として、休眠状態に入ることで治療薬からの攻撃をやり過ごす能力があります。
しかし研究チームは、むしろ積極的に休眠状態を誘発し、がん細胞を生涯にわたって「眠らせたまま」にすれば、結果的にがんで死ぬことがなくなる、と考えました。
また、新たに発見された薬剤「C26」を投与したマウスでは、がん細胞が深い休眠状態に移行し、増殖と転移が完全に封殺されたことが確認されました。
がん細胞を殺すのではなく、患者が老衰や他の原因で死亡するまで「眠らせる」という共存戦略は、がん治療の将来におけるスタンダードとなるかもしれません。
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がん患者にとって、再発と転移は最も避けたいところです。
治療によって悪性腫瘍を小さくすることはできますが、時間が経過すると同じ場所で増殖したり、別の部位に転移して新たな腫瘍を作るからです。
しかも、再発したり新たに形成される二次腫瘍は、治療薬に対して耐性を身に着けることがあり、しばしば致命的な結果に結びつきます。
二次腫瘍ができる原因の1つとしてあげられるのが、がん細胞に備わった「休眠能力」です。
がん細胞には、自分を殺そうとする治療薬に接すると休眠状態に入ってやり過ごし、その間に治療薬に対する耐性を準備する能力があります。
そのため、再発と転移の防止が必要であり、がん細胞をいかにして殺し尽くすかが重要とされていました。
しかし今回、研究チームは発想の転換を行い、がん細胞に備わった休眠状態を積極的に引き起こす戦略を採用したのです。
がん細胞が休眠状態に入ると、多くの患者たちは一時的に症状が改善し、しばしば元の生活に戻ることもできます。
とすると、がん細胞の休眠状態を患者の一生よりも長く保つことができれば、理論的には、患者ががんで死ぬことはなくなります。
長いので後はソースで
https://nazology.net/archives/104819